インターネットを安全に利用するために、多くのユーザーがVPNやHTTPを使っていますが、両者の違いを正確に理解している人は少ないかもしれません。この記事では、VPNとHTTPの基本的な違い、それぞれの安全性、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

VPNとHTTPの違いとは?安全性、それぞれのメリット&デメリット詳しく紹介

Part1:HTTPとVPNとは?

1.1.HTTPとは

**HTTP(Hypertext Transfer Protocol)**は、ウェブブラウザとウェブサーバーが情報をやり取りするためのプロトコルです。インターネット上でほとんどのウェブサイトが使用しており、情報の送受信を効率的に行う役割を果たします。

HTTP

HTTPには以下の特徴があります:

  • デフォルトで暗号化されていないため、送信するデータは第三者に傍受される可能性があります。
  • 通信速度が高速で、インターネットの標準プロトコルとして広く普及しています。URLの最初が「http://」で始まるウェブサイトがこれに該当します。
  • 現在は、**HTTPS(HTTP Secure)**が主流となり、通信内容が暗号化されています。これにより、従来のHTTPよりも安全にデータの送受信が可能です。HTTPSは、SSL/TLS暗号化を使用して通信内容を保護します。

メリット

pros
  • 高速通信:軽量なプロトコルのため、ウェブページの表示速度が速い。
  • アクセスの容易さ:インターネットの標準プロトコルであり、ほとんどのウェブサイトで使用されている。

デメリット

cons
  • セキュリティが弱い(HTTP):暗号化されていないため、データが盗まれるリスクがある。
  • 制限のあるアクセス:地理的にブロックされているサイトへのアクセスができない。

1.2. VPNとは?

*VPN(Virtual Private Network)**は、インターネット接続時にプライバシーとセキュリティを向上させるために使用される技術です。VPNを利用することで、ユーザーのインターネットトラフィックは暗号化され、第三者が内容を確認したり、トラッキングしたりすることが難しくなります。

vpn

VPNの特徴:

  • 暗号化によって、通信内容が保護されます。
  • IPアドレスを隠すことができるため、ユーザーのオンライン活動が匿名化されます。
  • 地理的制限がかけられているコンテンツにもアクセス可能になるため、特にストリーミングサービスや海外のウェブサイトを利用する際に便利です。

VPNは、セキュリティやプライバシーを保護する目的で個人ユーザーや企業で広く利用されています。

メリット

pros
  • プライバシー保護:IPアドレスを隠し、ユーザーのオンライン活動が追跡されにくくなる。
  • データ暗号化:すべてのインターネットトラフィックが暗号化されるため、非常に安全。
  • 制限のないアクセス:地理的にブロックされているコンテンツやサービスにアクセスできる。

デメリット

cons
  • 通信速度の低下:暗号化やルート変更のため、通信速度が遅くなることがある。
  • コスト:高品質のVPNサービスは無料ではなく、サブスクリプション料金が必要な場合が多い。

Part2:VPNとHTTP安全性の違い

HTTP/HTTPS: HTTPは暗号化されていないため、第三者が通信内容を盗み見たり改ざんしたりするリスクがあります。一方、HTTPSはSSL/TLSによって暗号化されており、情報の安全性が向上します。

VPN: VPNは、通信全体を暗号化し、IPアドレスも隠すため、非常に高いレベルのプライバシー保護を提供します。これにより、ハッカーやインターネットプロバイダがユーザーのデータにアクセスするのを防ぎます。

Part3:HTTPSとVPNの暗号化範囲

1. HTTPSの暗号化範囲

HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)は、ブラウザとウェブサーバー間の通信を暗号化します。

暗号化される範囲は以下の通りです。

通信内容: ブラウザとウェブサーバー間で送受信されるデータ全て(例: パスワード、クレジットカード情報、テキストデータ)が暗号化されます。第三者が通信を傍受しても、内容を読み取ることはできません。

URL情報の一部: ドメイン名は見えますが、具体的なリクエストの内容やパラメータ部分は暗号化されます(例: クエリ文字列、GET/POSTリクエストのデータなど)。

暗号化対象外: HTTPSがカバーするのはあくまでブラウザとウェブサーバー間の通信のみです。

以下は暗号化の対象外です。

IPアドレス: 通信先のIPアドレスは暗号化されません。インターネットプロバイダや第三者はどのサイトに接続しているかを把握できます。

DNSリクエスト: 多くの場合、ウェブサイトのドメイン名の解決に使用されるDNSリクエストは暗号化されません(DNS over HTTPSやDNS over TLSを使用すれば暗号化可能)。

2. VPNの暗号化範囲

VPN(Virtual Private Network)は、ユーザーのデバイスとVPNサーバーの間の通信全体を暗号化します。

暗号化範囲は広範囲に及びます。

全てのインターネットトラフィック: VPNを使用している間、デバイスから送信される全てのインターネットトラフィックが暗号化されます。これには、ウェブブラウジング、アプリケーションデータ、メール、ストリーミングなどが含まれます。

IPアドレスの保護: VPNを使用すると、ユーザーの実際のIPアドレスがVPNサーバーのIPアドレスに置き換わるため、第三者にはユーザーの実際のIPアドレスが見えません。

DNSリクエスト: 高品質なVPNサービスでは、DNSリクエストも暗号化されるため、インターネットプロバイダや第三者がどのサイトに接続しているかを把握しにくくなります(DNSリーク防止機能がある場合)。

以下は暗号化の対象外です。

VPNを利用しても、VPNサーバーから先の通信、つまりVPNサーバーと目的のウェブサーバー間の通信は暗号化されないことがあります。例えば、VPNサーバーから接続するウェブサイトがHTTPSを使用していない場合、その部分は暗号化されていません。

Part4:よりIPアドレスを保護できるVPN

NordVPNは、世界的に人気のあるVPNサービスで、特にセキュリティやプライバシー保護を重視するユーザーに支持されています。ここでは、NordVPNの主な機能や利点を紹介します。

nordvpn

  • 強力な暗号化: NordVPNは、業界標準のAES-256暗号化を使用しており、非常に強力なセキュリティを提供します。これは、銀行や軍事レベルで使用されている暗号化方式です。
  • No-logsポリシー: NordVPNはユーザーのオンライン活動や個人情報を記録しないことを約束する「No-logsポリシー」を厳守しています。これは独立した監査機関によって検証されています。
  • 6台まで同時接続可能: 1つのアカウントで、6台までのデバイスを同時に接続できます。これにより、パソコン、スマートフォン、タブレットなど複数のデバイスを一度に保護できます。
  • 5400以上のサーバー: NordVPNは世界59か国に5400以上のサーバーを展開しており、高速で安定した接続を提供します。また、特定のサーバーはP2P(ファイル共有)やストリーミングに最適化されています。
  • ダブルVPN機能: NordVPNでは「ダブルVPN」機能を使用することで、トラフィックが2つの異なるVPNサーバーを経由し、セキュリティがさらに強化されます。
  • キルスイッチ機能: VPN接続が途切れた場合、デバイスのインターネット接続を自動的に遮断する「キルスイッチ」機能により、データ漏洩を防ぎます。
  • CyberSec機能: 広告やマルウェアから保護する機能も備えており、より安全なオンライン環境を提供します。
合わせて読む: NordVPNの使い方

メリット

pros
  • 地理的制限の回避
  • 高速で安定した接続
  • 使いやすいインターフェース
  • 24時間365日のカスタマーサポート

デメリット

cons
  • 少し高価な部類に入る
  • 一部のサーバーで速度が低下する可能性

結論

HTTPとVPNは、どちらもインターネット上でデータを送受信するための方法ですが、その目的と機能は大きく異なります。HTTP/HTTPSは主にウェブブラウザとサーバーの間での情報のやり取りに焦点を当てており、VPNはより高いプライバシーとセキュリティを提供します。

どちらを選ぶかは、ユーザーのニーズによります。日常的なウェブ閲覧にはHTTPSが十分ですが、プライバシー保護やセキュリティを重視する場合、VPNの利用を検討すると良いでしょう。